トイレの回数増える、過活動膀胱
2012.03.05
トイレに急に行きたくなり我慢できなくなる。時には漏らしてしまう。こんな場合は膀胱(ぼうこう)の尿を貯める機能が低下して起こる「過活動膀胱」の可能性がある。40歳以上の日本人の1割がこうした症状でいやな思いをしている。特に肌寒い冬はトイレに行く回数も増える。薬や体操で症状は改善できるので、年だからとあきらめないように。
膀胱は300~400mlの尿をためることが出来る。通常は150mlを超えると尿意が現れるが、過活動膀胱の患者さんは100ml~200mlで我慢できないと感じる「尿意切迫感」が表れる。
患者さんは「突然尿意をもよおすので、尿漏れを予防できない」とこの病気を説明する。
急な尿意に何度も襲われ、トイレに駆け込む回数が増える。
「漏らしたらどうしよう・・・」この不安が大きくなり外出を控えることも少なくない。就寝中にトイレに行く回数が増えると睡眠不足に陥ることもある。命に直接かかわることはないが、生活の質を低下させることもある。
この病気は中高年に多く、加齢が影響しているといわれるが原因は完全には解明されていない。最近では生活習慣病との関係も見直されつつあり、メタボリック症候群の方は通常の2倍の可能性があることが分かっている。
患者さんにみられる、主な症状は2つで、排尿筋の異常と神経系統のメカニズムが何らかの原因でおかしくなってしまう事だ。
尿は排尿筋が収縮し、尿道括約筋が緩んで膀胱から排尿される。この仕組みに異常をきたし、収縮してはいけない時に収縮してしまい尿漏れを起こしてしまう。
治療は、専門薬を使うことと、膀胱訓練をすること。また体操も有効と言われている。
膀胱訓練とは、尿意をもよおしてから10~15分くらいトイレを我慢する方向のことだ。これにより膀胱の蓄積機能が向上する。
もう一つの方法で、骨盤底筋体操と言われるものがある。これはお尻の穴をおなかの中に引きこむように、緩めたり締めたりする動作を繰り返す。毎食後に10回くらいおこなうのが一例です。座って、もしくは寝た姿勢でやることが意識しやすい。体操を実施した女性で効果を確認したデーターもあるといいます。
おしっこのことは恥ずかしいとためらわずに、症状が表れたら専門家をたずねてみるのも治療方法の一つになるでしょう。
日本経済新聞より
k・oda