抗がん剤治療 痛みにも対処
2012.06.06
私たちは 「がん」の恐怖からはなかなか逃れられない。日本では、成人の2人に1人はがんを患い、死亡原因の3分の1はがんである。
がんの治療には、外科療法、放射線治療、そして抗がん剤を使う化学療法がある。これ以外にも免疫療法などがあるが、まだ学界からお墨付きを得ているとは言い難い状況である。
抗がん剤治療といえば、入院して副作用など身体の状態を管理されつつ受けるものだった。最近は通院しながら外来で治療を受けられるようになった。
この背景には、よい抗がん剤が登場した事に加え、がんの外来治療を手掛ける設備が充実した事にあります。同時に身体の管理法が進歩した事も大きい。
とはいえ、口内炎や痛み、しびれなど抗がん剤の副作用が病院以外で出ることもある。医療関係者による丁寧な説明で、ある程度は対処できるが、急に痛みが出た時など対応に困る事も多い。
そこで実態を探り、適切な対応策を作ろうと、看護師を中心とした医療関係者ががんの外来で治療を受けている人に聴きとり調査をおこなった。
それによると、通院しながら抗がん剤治療を受けている人のうち38.4%が調査から24時間さかのぼる間に「痛み」を感じていたと回答した。「しびれ」も49.5%のひとが感じていた。
これまでにも同様の調査があるが、痛みを感じる患者の割合などは大差なかった。
激しい痛みは別として、回答した多くの患者は痛みがあっても「日常生活に、それほど支障はない」と答えている。
また鎮静剤などを使っていると回答した人は全体の20%程度にとどまった。
がんは「死に至る病気」から「長く付き合う病気」へと変わりつつある。
外来で抗がん剤治療を受ける患者がますます増えるのはこれからの流れだろう。
日本経済新聞より
k・oda