インフルエンザ・ワクチン
2012.11.21
インフルエンザ・ワクチン接種の基礎知識。
インフルエンザ予防の基本は、ワクチン接種と、手洗い、うがいの習慣化にあります。しかし、欧米に比べて日本は、ワクチン接種率が低いことが言われています。
インフルエンザ・ワクチンに関する最大の誤解は、ワクチン接種を受ける目的にあります。
インフルエンザ・ワクチンの目的は、「ウイルスに感染しても発症を抑える」こと、そして「発症しても重症化させない」ことにあります。感染自体を防ぐのではないことに留意する必要があります。
日本で使用されているインフルエンザ・ワクチンは予防に関して高い効果を上げています。「インフルエンザ・ワクチンの効果に関する研究」によると、65歳以上の健康な高齢者については、約45%の発症を阻止し、約80%の死亡を阻止する効果があったとされています。また、65歳未満の成人でも、健康状態が良い人の場合、70~90%の発症予防効果があるという報告もあります。
毎年、千人~二千人がインフルエンザで亡くなっています。こうした人の中にはインフルエンザ・ワクチンの接種で、死亡を防げたケースも少なくありません。
インフルエンザ・ワクチンの接種は、ごく一部の場合を除いてすべての人が受けることができます。なかでも次の条件に当てはまる人は接種をお勧めします。
1.65歳以上の全ての方
2.60~64歳で、呼吸器、心臓、腎臓、免疫のいずれかに障害のある方
3.糖尿病をお持ちの方
4.集団感染の可能性の高い児童、学生
5.生後6ヶ月以上の乳幼児
日本では、毎年12月~3月がインフルエンザ・ワクチンの流行期にあたります。インフルエンザ・ワクチンは接種後、効果が現れるのに約2週間かかります。10~11月はワクチン接種にもっとも適した時期といえるでしょう。
インフルエンザの重症化を防ぐためには、ワクチン接種だけでなく、適切な治療が必要です。
インフルエンザ・ウイルスの有無有無やその種類を短時間で調べることができるようになりました。
ウイルスに直接作用する薬も開発され、インフルエンザに対しては、解熱や重症化予防という治療が可能です。
インフルエンザ治療薬は、発症から48時間以内に服薬することが推奨されています。48時間を過ぎると、体内のインフルエンザウイルスが増えすぎてしまい治療薬に十分な効果を期待できなくなる場合もあります。
インフルエンザが疑われる場合には、早急に病院を受診して下さい。
なお、インフルエンザ疑いで病院を受診する際は、まず病院に電話をして状況を説明します。インフルエンザの拡大感染を防止するためにも、ぜひ守ってほしいルールです。
田﨑病院発行 こんにちわ参考
k・oda