双極性障害とうつ病対策
2013.11.13
先日はうつ病と脳血管の血流量の関係について話をさせていただきました。
今日は、うつ病の双極性障害と脳血流から考えるうつ病対策、とういテーマで進めていきます。
☆双極性障害
双極性障害という病名をご存知でしょうか?勝手は「躁うつ病」と呼ばれていたこの病気は、気分が極端に高揚する「躁」状態と、気分が極端に落ち込む「うつ」状態を繰り返すことに特徴があります。うつ病と脳血管の関係が明らかになるにつれて、一つの大きな発見がありました。それは、うつ病と思われていた患者の中に、実際には双極性障害だったというケースが多数確認されたとのことです。これはポトグラフィー検査では、うつ病と双極性障害で、画像に違いが出るためにわかってきたことです。双極性障害の最大のリスクは自殺率が非常に高いという事です。
躁状態の時には、常識的には無分別と思われるような行動をとりやすくなります。極端な浪費、無謀な計画の実行、他者に対する高圧的な態度・・・・
これらの行動はうつ状態の時、自殺願望を伴うほど大きな自責・後悔の念になって自分に返ってきます。
双極性障害とうつ病では治療方針が異なります。しかし双極性障害の患者は、うつ状態の時に病院を受診するケースが多く、躁状態の時のことは病気として認識していないことが少なくありません。うつ病で受診する際は、躁状態がなかったかを医師に伝えるようにしましょう。
☆脳血流から考える、うつ病対策
脳血流がうつ病に関係している事が明らかになってきました。直接的に脳血流を改善する治療法はまだ確立していません。脳神経物質の分泌を促し、その働きを改善する薬物療法が第一選択となってきます。
脳の血流に関しては、個人で取り組むことのできる事がいくつかあります。
まずは、日常的な運動を心がける事。適度な運動をすると気分がすっきりしますが、これは血液の循環とも関係しています。負担の少ないイベントに参加することや、身近な所へ旅行するのも良いでしょう。創作活動や手先を使って何かをつくるのもいいかもしれません。これらも脳を刺激し、気持ちを改善するよい機会となります。無理のない範囲で行ってください。
40歳を超えた頃から、脳を含めた身体機能の低下が顕著になっていきます。年齢的にいって、辛い喪失体験が身体の不調になってくることでしょう。こうしたときにうつ病になりやすいことを覚えておいてください。
うつ病対策でもっとも有効なのは、早期に心療内科や精神科を受診して治療を行うことです。うつ病が重症化しないように、自覚症状がある場合は、遠慮なく、かかりつけ医師に相談しましょう。
田﨑病院発行 「こんにちわ」より抜粋
k・oda