相手の笑顔はわかる-認知症の不思議
2014.06.26
おはようございます。
本日の東京の天気は、曇りのち一時雨予報となっています。
今日は認知症のお話です。
認知症と診断された患者さんに対して家族や介護者の中には、患者さん本人は何もわかっていない、認知や判断能力が失われていると考えてしまう人もいるようです。しかし、はたして本当に何もわからなくなるのでしょうか?
☆認知症患者は何もわからない?
認知症の高齢者は、自身の体力・知力の衰えから不安になり、また、ささいなことで泣いたり怒ったりします。さらに進行すると子供や孫がわからず、名前も忘れてしまう事すらあります。
「そうなったら、何もわからないんだよ」というご家族もいらっしゃいます。
たしかに、認知症が進むといろいろな事を忘れてしまったり、他者の表情から気持ちを読み取ったりする能力が低下したりします。お世話をする側も、笑顔でやさしく接しても何もわかってくれないと、がっかりしてしまう事もあるでしょう。
ところが、数年前に発表された研究によると、そうではなさそうです。
☆認知症であっても笑顔はわかる!!
その研究によると、進行したアルツハイマー病の患者さんに、「笑顔」 「泣き顔」 「怒った顔」などの写真を見せて「この人はどんな表情だろうか?」と尋ねたところ「笑顔」についてのみ、患者さんの大部分の人が認識できたといいます。
相手の「今、楽しくてうれしい」という気持ちを笑顔から読み取る能力は、最後まで衰えないといいます。 という事は認知症の人に対しても介護者が楽しそうに笑顔で介助することが、とても大切になると考えられます。
介護者が笑顔を失ってしまうと、患者さんも不安な表情を浮かべます。介護する人の笑顔が患者のうれしい気分と表情を引き出すのです。