睡眠の質
2011.12.17
人間の体温は、起きているときは高め、寝ているときは低めになります。体温の幅は良質な睡眠のための一つの要因なのですが、高齢になると最高体温が低くなります。また身体を睡眠へ誘導する役割をはたすメラトニンの分泌量も高齢になると低下します。こうした変化が睡眠の質に大きく影響しています。
睡眠の仕組みは、体内時計によって管理されています。そして体内時計を働かせるのは太陽の光です。
高齢者の皆さんは、日中の活動量を意識して増やすようにして、太陽の光を浴びるように心がけてください。特に昼の時間が短い冬場は、この心がけが欠かせません。
ところで、介護に関わられている方で、被介護者が不眠に悩んでいる、そうした様子はありませんか?
かって介護の常識は『安静に寝かせておくこと』でした。しかしこの常識は大きく変わりました。浅い眠りを繰り返すことは、夜間の睡眠を阻害し、睡眠不足から活動意欲の低下や量を低下させる恐れがあるのです。こうしたことが習慣となると被介護者を「寝たきり」に向かわせてしまうことになります。
介護に関わる方は、適度な運動や睡眠という視点から介護というものを見直してみる必要もあるかもしれません。
田﨑病院 発行 「こんにちわ」より