心臓にもリハビリ
2012.04.24
心筋梗塞や狭心症、心不全などの手術後に、早期の社会復帰や再発防止のために運動療法などを取り入れる「心臓リハビリテーション」を実践する医療機関が増えています。退院後も含めてリハビリを続けることが再発防止に役立つからです。先日冠動脈バイパス手術を受けられた天皇陛下も、体を動かすなどのリハビリを始められた。心臓リハビリの実践例を紹介します。
関東地方に住む、60代のAさんは昨年、急性心筋梗塞の種中を受けた。手術は成功し、数日後から病院内で一定の距離を歩くなど心臓リハビリテーションを始めた。退院した後も週1~3日通い、歩行や自転車の軽い運動、体操など合計で1時間ほどこなす。
看護師などと気楽に話ができるため、「一人暮らしでも再発の不安を抱え込まずにすむ」とAさんは話す。経過は良好だといいます。
★死亡リスク2割減
心筋梗塞では血管が細くなった箇所にカテーテル(菜管)を入れて広げるなど体の負担が比較的少ない手術が普及し、患者様の入院日数は大幅に縮まっている。以前は胸を開く手術も多く約2ヶ月入院していたが、カテーテル手術なら多くのケースで約2週間で退院できるという。
医療技術の進歩により、発症直後の死亡率は下がったが、心筋梗塞や狭心症には再発の恐れも残っています。そこで注目を集めているのが運動療法を組み合わせた方法です。
欧米チームの研究によると、運動療法に数カ月取り組むと手術後の死亡率が約2割減ることが分かっているそうです。手術後に標準的な薬を服用するのとほぼ同じ治療効果があるといわれるほどだ。日本においても運動療法を実施すると2年以内の再発入院が半減したと報告がある。
次回は、実際に心臓リハビリを行っている機関を紹介しながら進めていきたいと思います。
k・oda