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田﨑病院
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「聞く」より「聴く」の大切さ

 「気持ちを伝えあう技術」を読んでいて、ふっと考えた。「聞く」と「聴く」の違いについてだ。

 心の悩みやストレスを抱えた人たちに積極性を持って生きることを助言(カウンセリング)することが大事だが、その第一歩に「聴き上手」になるという事がある。

 「聴く」には相手の気持ちや人間性をわかろうとする、積極的な働きがある。相手の言いたいことや感情を理解しようという姿勢がある。

 これに対して「聞く」は、近くにいれば自然に耳に入ってくるのもで相手のことを分かろうとする積極性はない。カウンセリングの基本は相手を理解しようとする「積極的傾聴」にある。心の悩みを抱えた人たちには、まず「聴く」ことから始めようとするものだ。

 がんにかかった人たちのところを訪問して、その悩みや現在の気持ちを聴く人がいる。そうした人を養成する会もあるそうだ。悩みを人に相談するとすっきりする事がよくある。そういう仕事だろう。

 古くは吉田兼好も「徒然草」で「おぼしき事を言わぬは腹ふくるるわざなれば・・・・」と書いているように、悩みを胸にしまっておき、言いたいことを言わないでおくと、心の健康にも悪いし、体をむしばむことになる。

 積極的傾聴の基本は相手を尊重する気持ちと相手を理解しようとする姿勢、が大切であると言われている。実行出来るのは、まずは肉親ではないだろいうか。知人だと、話の中の疑問などいちいち指摘されたら話し手は気分を害することにもなる。よほど親しくないと、相手の気持ちを理解しようとするのは難しい。
 見ず知らずの人なら、案外うまくいくかもしれない。

 医療従事者なら、なお良い。白衣の人をまえにすると、今の悩みや気持ちを話してすっきりとした経験は誰にでもあるのではないだろうか。

 ★日本経済新聞より

 じっくり話を聴くことが、心の健康に必要なことだと我々医療従事者も肝に命じる必要があるなと感じました。

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